主にライブハウスのスケジュールを組み立てることで生計をおっ立てている人の日記

吉村 学通称ダッシー/昭和56年2月16日生まれ水瓶座O型/Chiba Fes企画室代表/ライブハウス千葉ANGAブッキングマネージャーの日記

ブッキングとノルマについて

 

今回は主にライブハウス出始めるかどうかの、初心者のみなさんに向けての文章でございます。そこそこやっている方には在り来たりな内容です。
あと、クソ長いのでご注意ください。

 


1,ブッキングとは

 


ライブハウスといえばよく聞く言葉、ブッキングライブってそもそもなんなんでしょう。

ブッキングは契約という意味です。筆者たるわたくしダッシーは契約責任者、ということです。

 

ライブハウス側が日時、条件、内容などを提示して、出演者側がオッケーなら契約成立、出演!というわけですね。

 

ライブハウスのことを業界用語でハコと言います。MAX200人キャパくらいのハコの事を小バコと言ったりします。以下使用します。

 


2,ブッキングライブの中身

 


ブッキングライブでは演奏時間30分前後で、だいたい複数組のミュージシャンが出演します。さてどんな基準で選ばれているのか。

 

音楽性(明るい、くらい、激しい、うるさい、エモい、エロい、昔っぽい、洋楽っぽい、云々かんぬん…)、ジャンル、腕前、年齢、活動歴、活動状況、自主企画のタイミング、切磋琢磨、発見と成長、動員力、ライブ頻度、人間性、仲の良さ(出演者同士/対ハコ)、その日コンセプトやテーマ、曜日、誕生日、などなど。いくらでも切り口があったりします。

 

そんな事を元に出演者の組み合わせを考え一日を組み立てて、ブッキング担当者がオファーしていきます。

 

なんとなくブッキングライブといえばノーコンセプト、雑多な出演者達というイメージがありますが、そうとは限りません。何かしら狙いがあるものです。

 

 

ちなみに音楽活動を始めて、ある程度宣伝を各種媒体でするようになると、いきなり知らぬ人から出演オファーが舞い込んでくる事がありますが、ANGAではあまりやっていません(やってもほとんど話が進む事はない)

 

面識のないミュージシャンには、ライブを見てから声をかける、というのがやはり昔からの基本ではあります。

 

 

 

話が少し逸れました。
終演後は打ち上げがあったりなかったり。同時かその前にお金の精算とブッキングの人ととのお話タイムが大抵あります。そこで感じたことやアドバイス、今後の活動について話し合ったりします。なんでも率直に話してみましょう。ブッキングの人との関わりはその後の音楽活動に大きく影響します。そこでスッキリしないことがあれば他の所に出演してみましょう。

 


3,ノルマ

 


さてハコでのライブで気になることといえば、ノルマですね。コンサート会場に入場するには、大概チケットが必要です。値段がついていて金券になっている。それを店からある程度の枚数出演者に買い取ってもらう、ということがノルマの根本的な部分です。

 

なぜノルマがあるのか。ハコの事情を言えば、ノルマを課すことによって確実にチケット代を稼がないと、その他ドリンク代や、ハコブッキング以外のホールの貸し出しでは、経費(人件費、機材費、家賃など。)が賄いきれないハコが多い、ということです。

 

ANGAでは結構飲食に力を入れてますが、まだ力及ばず。あと、日本でその辺を頑張りすぎるとアル中製造所となってしまうかもしれません。一部のアングロサクソンは水みたいにビールを飲みます。いや、水以上に飲みます。思いっきり余談ですが僕はハコに遊びに行くとき、10000円札を一枚だけ握りしめて現場に向かいます。ハコの繁栄を願って、だいたい無くなります。

 

ノルマの枚数を超えてチケットを販売出来れば、出演者にも儲けが発生します。チケット代の何%が返ってくる、ということをチャージバックと言います。

 


4,ノルマなしでライブをしたい

 


ノルマの一切ないハコは探せば結構あります。ただし動員0を叩き出すと出してもらえなくなったり怒られたり、シビアと聞きます。チャージバックも簡単には出なかったりします。いずれにしろ動員が少なくて良いことは何もないのです。

 

路上
機材を揃える初期投資さえクリアーすれば可能です。とくにソロアーティストはメリットが大きい。とにかく多くの人に自分の音楽を届けることが可能です。ただしハコよりも人の反応がシビアです。ハコには音楽を聴く気がある人の集団が居ますが、路上は違います。

 

ホールを借りる
県や市などの管理下にあるものなら、タダ同然で使えるところもあります。ただし全ての機材が自前になります。

 

練習スタジオ内ライブ
スタジオ主催で開催している場合があります。詳細はスタジオに聞いてみてください。

 

バーやカフェ
音楽性が限定される場合が多いです。インストオンリーなど。ミュージックバーを謳っているところならば、何でも大丈夫なところもあります。店の常連もいたりして、楽しくやれるでしょう。オススメです。ただしお客さんには、チケット代の代わりにミュージックチャージという支払いがあったりします。それが意外と高いところもあります。

 

ネット上
バンバンやりましょう。ここで勝負するには自己プロデュース能力やターゲッティングが重要でしょうね。

 

慰問
子供、老人がいっぱい居る施設や刑務所など。詳細不明。

 

人のイベントに出る
イベントの主催者が気合を見せて、共演者にノルマを課さないこともあります。主催者が全てを背負うって訳です。ホール貸切はそれなりの金額になります。それで油断してちっともお客さんを呼ばず出演してみると、主催者もあまり呼べていない、という状況は結構あります。むしろそんな時こそしっかり動員があると、信頼度はウナギ昇りです。また誘われるでしょう。

 

海外に行く
本当にやれる人なら有りです。ショボいハコだと、シンバルが普通に無かったりするらしいので気をつけて。日本のハコは総じて機材が充実しています。

 

ライブをしない
ははは。有名になっていけばいつかはやることになります。その時ガッカリさせないように。または作曲者など裏方になりましょう。

 

 

書けば書くほど書きたいことが出てくるので、今回はこの辺で。

 

 

ダッシー(吉村)

千葉ANGA(小バコ)
043-224-7769
質問や出演希望どしどしどうぞ♬